複雑系アプローチとは
複雑系アプローチ
Complex Systems Approach
指標をひとつずつ見るのではなく、指標どうしの関係性そのものを分析の単位に置く考え方です。
単一指標では見えないもの
単独では基準内の要因も、重なり方次第で危険域に達します。
なぜサッカーは複雑系なのか
複数の要因が同時に作用する
選手の状態は、負荷・睡眠・日程・既往歴などが同時に働いて決まります。
同じ入力でも反応が違う
同じ練習をしても、疲労がどこにどれだけ出るかは選手ごとに違います。
単純な足し算にならない
要因どうしが影響し合うため、個々の数値を足しても全体は説明できません。
Odonataの分析方法
複雑系の考え方について、もう少し詳しく
複雑系の考え方について、もう少し詳しく
複雑系とは、多数の要素が相互作用することで、要素単独にはない性質が全体として立ち現れるシステムのこと。鍵となる性質が「創発」と「非線形性」です。
部分にはないものが、全体から生まれる
ニューロン1つに「意識」はありません。しかし無数のニューロンがつながり合った脳全体からは、意識が生まれます。全体は、部分の性質からは予測できない。
小さな変化が、大きな違いを生む
わずかな海水温の変化が、地球規模の気象を一変させることがあります。入力と出力は比例せず、閾値を超えた瞬間に、系全体が別のふるまいを始める。
More is different.
複雑性を避けていては、何も向上することはできない。
この視点は、私たちの発明ではありません。
サッカーを複雑系として捉える見方は、スポーツ科学の研究とトップレベルの現場の、世界的な潮流です。
Ecological Dynamics
選手を環境から切り離さず、選手と環境の相互作用を単位としてスキル獲得や戦術行動を捉える理論的枠組み。トレーニング設計の国際的な潮流になっています。※1
創発的パターン形成の研究
チームを「超個体」として捉え、選手間の同期・協調から生まれる集団構造をネットワークや力学系の手法で定量化する研究が進んでいます。※2
ポジショナルプレー
現代戦術の焦点は「個の配置」から「関係性の設計」へ。位置的優位も数的優位も、選手どうし・相手との関係の中でしか生まれません。
※1 K. Davids、D. Araújo らを中心に発展した運動学習・スキル獲得の理論的枠組み(Ecological Dynamics)。
※2 例: Duarte, R. ほか (2012) “Sports teams as superorganisms” など、チームスポーツの集団行動に関する一連の研究。
